【営業予定】
7/19(月) 12時〜18時営業
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【今週の1冊】
『かないくん』谷川俊太郎/作 松本大洋/絵 (株式会社ほぼ日)
詩人の谷川俊太郎さんが文を、漫画家の松本大洋さんが絵を担当した絵本。
二部構成になっていて、前半は学校の隣の席の「かないくん(金井君)」が突然亡くなって死について考える男の子の視点で描かれる。かないくんの机や椅子などがまだ教室にあるのにかないくんはいないことや、クラスのみんなもかないくんのことを忘れてしまったかのように過ごしている様子を見て、男の子の中でかないくんの不在感が際立っていく描写が胸に響く。
後半ではその男の子がおじいさんになっている。
自分も病気でもう長くないとなった時にかないくんのことをふと思い出す。
絵本作家であることから、かないくんの絵本を描こうとするが物語をどう終えれば良いか分からないと孫の女の子に話す。おじいさんが女の子に語った「死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない」という言葉が印象的だ。二人が「死」について語っていても悲観的ではなく少しユーモアを含ませた語り口をしているのが良い。
切ないながらも爽快感のあるラストシーンの絵が印象深く残った。
寂しい心持ちの時におすすめしたい一冊。
【関連しておすすめしたい本】
『「いる」じゃん』 くどうなおこ/作 松本大洋/絵(スイッチ・パブリッシング) ※7/19(月)現在在庫あり
→工藤直子さんの躍動感のある詩が楽しくて思わず声に出しながら読みたくなる絵本。
絵の担当は『かないくん』と同じく松本大洋さん。
工藤直子さんと松本大洋さんが親子だと知った時は驚いたがまさか二人で絵本を作るとは思わなかった。
以前、松本大洋さんのインタビューで自分が小さい時に母親に「死」に関連することを話したら、工藤直子さんは「お母さんは死なない」と答えたというエピソードが印象深かったのを覚えている。
(うろ覚えだが『かないくん』関連のインタビューだった気がする。)
世界を肯定しようとする時、理屈ではない言葉の力がいるのだなと思う。
元気が出ない時に読んでみてほしい一冊。
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