2025年2月8日(土)雪から曇り
今日は店舗を休業して読書会へ。
雪の影響が心配だったけどこの前ほど積もらずに路面も問題なかったので良かった。
今回は自分の主催ではなく、かごしま環境未来館主催の読書会で、僕は司会進行役を務めた。課題本は漫画版『風の谷のナウシカ』(全7巻)。
今回の読書会に向けて漫画版とアニメ映画を初めて見た。
話には聞いていたけれどもやはり凄い作品だと思う、と同時に難しい内容でもあるので、読書会をどう進めるかちょっと悩んだ。
課題型の読書会の時には、課題本という参加者たちが共有しているテクストがすでにあるので、すでに共有しているものがあるという安心感から割とスムーズに話しができることが多いと思う。
しかし、今回の『風の谷のナウシカ』は、物語が壮大かつ複雑にできている。語れるもの自体はとても多いとは思うけど、どこから語ったらいいかで意外と迷いそうな気がする。
進行役としては、今回は特に話がしやすい環境づくりを心がけるのが第一だと思い、読書会を始める前に自己紹介がてらボードゲームで遊ぶアイスブレイクを設けることにした。
使用したのは紹介型の読書会でよく使っている「ito」というボードゲーム。
勝ち負けのない協力型のゲームで遊んでいくうちにお互いの価値観が少し分かってくるのが特徴。
会話を積み重ねることがゲームをより良いものにする仕組みになっているので、読書会の前に「話をする練習」になるのもこのゲームで遊ぶ利点になる。
さらにいつもの課題型読書会の流れとは変更して、感想を話し終えるたびに質疑応答の時間を設けることにした。
いつもは参加者それぞれの感想だけ聞いて、全員話し終えたら、フリートークに移り、疑問や聞きたいことなどはまとめて話すようにしていた。
しかし今回はそれぞれの語りに沿ってミニフリートーク的な展開をその都度つくるのがいいのではないかと判断。
語った感想の中にほかの参加者も話したいトピックが含まれていれば、自然とトークが盛り上げるだろうと踏んだのと、できるだけ参加者が主体的に話す雰囲気を作るのがいいだろうと思ってのこと。
さて読書会の参加人数は5名。3名は僕が主催した読書会に1度以上は参加したことがある方々。
そのうち2名は初めてお会いする方たちだったのだが、公的な施設が企画するとまた普段は会わないタイプの方が集まって新鮮な心地になった。
仕事として今回読書会に臨んだわけで、自己満足ではいけないというか、外側の人から見ても良いことを行なっていると思ってもらう必要があったわけだけど、外から見ていても面白かったとは言ってもらえたのである程度上手くいったと思いたい。
今回は読書会の第1回目で、3週間後に第2回を行なう。
次回は、鹿児島大学の太田先生を講師に、第1回で話したことをもとに作品の疑問点等について解説やコメントをいただく予定だ。
今回語り切れなかったことや読書会を通じて改めて考えたこと等、2回目の読書会のなかで話題に出せるように準備を進めたい。
1回目と2回目に差異をつけてそれ込みで楽しんでもらえるようにと構成をつくったので上手くいくように励みたいと思う。
さて、読書会でどんな感想やトピックが出たかについてはざっくりとだけど箇条書きで以下に記しておく。
※ネタバレもあるので未読の方はご注意を。
・ジブリのアニメ映画を見ていても分からないと思うことが多かった。ナウシカ(映画)ももちろん難しいと思っていた。しかし今回原作のマンガを読んで少し分かってくるものがあった。
・ナウシカとクシャナの対比について。
・クシャナがナウシカと出会うことによって「本当の王」になるための成長物語として読むこともできるのではないか。
・物語の最後、とても大きい話になっているのに、締めくくりは小さい話で終わっている。これをどのように捉えたらいいのか?
・エピローグでも書かれているが、クシャナはその後「代王」に留まっているらしい。クシャナにとっての「本当の王」とはどんなものだったのか?
・ナウシカはあらゆる生き物を人民として扱っているように見える。そんなナウシカを見ているとクシャナは自分は王にはなれないと思ったのかもしれない。
・小さいころにアニメ映画を見たのが最初の出会い。しかし難しいと思った。
・大人になってから響くものが多くなった。
・ナウシカは自分にとって理想の人。
・リーダーシップがありながら葛藤を抱えている。種に関係なく交流し、みんなの間をつないでいる。博愛主義なのもいい。失敗もあるけどトライ&エラーで進んでいくのも魅力。
・ヒドラやオーマといった人工生命にも分け隔てがない、ナウシカの生命観。
・「いのちは闇の中のまたたく光だ」というナウシカのセリフが好き。
・ナウシカ、結構弱音を口に出す。そうした弱さの情報開示は、現代の多様性にも通じているように思う。
・自然に対するエゴがアニミズムと絡めて描かれている。
・ナウシカは、『もののけ姫』のアシタカに似ていると思った。最終的に自然の側ではなく、人間の側にいることを選ぶ。
・テトが死ぬシーン。個々の生命は二度と戻らない。不可逆性にリアリティを感じた。
・ナウシカは宗教がない人という印象。先に考えがあるのではなく、行動しながら考えるタイプ。
・『風の谷のナウシカ』は壮大な話だけど、特に1巻2巻の序盤はむしろ今の自分たちの社会に近いものを感じた。先が見えにくい不穏さや、異常気象、国際情勢で戦争が近づいてきて日常が変わる様など。
・最後のナウシカの選択は、生存本能が働いた結果の選択でもあると解釈できるかも。
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