2022年3月11日(金)付の南日本新聞のコラム「南点」です。
今回は掲載日が3月11日ということで東日本大震災に関連する文章にしました。
原稿に取り掛かった始めの時は地震の体験についてもう少し詳しく書いていたのですが、当時のことを思い出すとそれなりに動揺すると言いますか、あまりにもさまざまなイメージが湧いてきてしまい、これでは書き進められないなと判断して省くことにしました。
省く作業をしながら何を書こうかと考える過程で「希望」について書くことを決めました。
それは、今回の文章で触れている戯曲『ブルーシート』の主題が「希望」であることと、その描かれ方は、新型コロナが流行する今の状況にとっても必要とされるものかもしれないと思ったのが理由です。
また、この次の南点でも「希望」に関連すると私が思うテーマで文章を書く予定なので、自分の中では2本仕立ての構想にすれば書きやすいのではないかと、そういう考えもありました。
今回震災に関連することを書くにあたり、私は東京で地震を体験して人生観や価値観に深く影響を受けましたが、実害はなかったにもかかわらず、それでも11年という歳月は色褪せない、動揺を誘うものとして変わらずあるということに、改めて驚かされました。
震災で深い傷を受けた方にとって11年という時間は短いのか長いのか私には分かりませんが、想像することと自分自身に問いかけることを止めないようにしたいと思います。
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